フランス料理も中華料理も

フランス料理も
中華料理も

豪華絢爛な料理の一つではあるし
奥深い事限りがない

しかし、その成り立ちに相違があると言えるのではないだろうか?

フランス料理の源流は、確かにルイ王朝以来の伝統に基づくものだが
それを洗練させ、今の形にまで高めたのは、
フランス宮廷を追われた料理人とその後の金融・産業資本家の層であろう
彼らの美食と言う欲求を満たすと共に、社交や権威と言う物を確立させていく事により
さらに華美に、さらに荘麗にとなって行った
エスコフィエとリッツにより一つの集大成を見たフランス料理だが、それは当時の“ベル=エポック”(あるいは”グーテアルテツウァィト”)
を象徴したものだろう。

他方、中華料理の方は1912年までは厳然とした宮廷があり、
その後も紫禁城の中だけとは言え宮廷は存続している。
そう言う意味では、フランス料理よりは王朝的・個人的(一人の人に奉仕すると言う意味で)な色彩が強いと言えるだろう

元は同じ”薬”としてのフランス料理も中華料理もだが
その育ち方・歴史がそれぞれの出で立ちを変えて行くのは面白い。