天然鰻への想い

この夏、ここまでウナギに突き動かされる様にアチコチと動きまわるとは思いませんでしたが……

単純に”ウナギ”の美味しさと言う事であれば、脂の乗った養殖物のウナギでも充分と言えば充分な気もする…

しかし…”天然ウナギ”には養殖うなぎには無い魅力がある


思えば…今から20年も昔の事であろうか?

友人たちと暑気払いを兼ねて浅草を訪問した折であったのだが

折角の暑気払いと言う事で、当初は「すっぽん」を食べる予定であった

そこは、ある種馴染みの店と言うか…我々の集まりでは良く使っていた所だったのだが…

その時は、何か何時もと違う店を求めていたのであろう(w)

その店を通り過ぎて…前から気になっているお店に行ってみよう?と言う事に

馴染みのすっぽん屋から、そう離れていないところにあるそのお店の名は「騎西屋」と言うなであったのだが(どうも、後で調べたら山田いすゞの贔屓のお店でもあったらしい)
なかなかに風情の門構えで何時か行きたいと思いつつも、通り過ぎていたお店でもあった。

中に入ると、上がりの畳で幾つかの座敷であっただろうか

清潔感のある何か凛とした空気が流れていたのだが

その中で目に付いたのが…”天然鰻”の短冊…

その時は特に天然鰻を食べるつもりは毛頭になかったのだが、何故かその短冊に書かれていた力強い字に興味を惹かれてしまった……

(;一_一) う〜む 

興味が湧きだすとなかなかにとまらないのが人間で……

遂にお店の人を呼んで「天然鰻はおいくら?」と聞くに至る

(・▽・)/「@10000円ですw」

そう? 勿論、今でも一万円は貴重なのだが……20年前の一万円は……ゴクリ……

しかし……どうしても溢れる天然鰻とはなんぞや?的な事から……

(おもむろに財布の中身を確認しつつ……)

(●^o^●)「天然鰻を♪」

(・▽・)/ 「はい」

※ そのとき一緒に行った人間達は「寿司」や「普通のウナギ」であったのだが………

待つ事暫し……その間に店の中で何を話したかなどはさっぱりと覚えてはいない……

が?

40〜50分位待ったであろうか……

(・▽・)/ 「おまちどうさまです」

と持って着た重箱は、もう一人が頼んだ鰻重の重箱の1.5倍位或いはそれよりもあったであろうか?

(@_@;) 「何と♪」

蓋を開けた瞬間……一同は驚いた!!!☆☆☆♪♪♪

そこには、「天然鰻」とは聞いていたモノの……我々の想像を絶する様な代物が姿を見せていた……

~>゜)〜〜〜 普通のウナギよりも分厚く硬質な感じの身の厚さ……そして分厚い身にしっかりと被さっている皮……

それは、正に「ヘビ」と言うに相応しいものであった

口入れた時の事を今でも覚えているのだが……その歯応え……と今まで遭遇した事も無い身の味……皮のパリッとした状態…

そして…通常の肝の3〜4倍はあろうかと言う肝

どれもが異質な鰻のそれであった……

その時、始めて、私は天然のウナギは(ひいては色々なモノの天然物は)養殖のウナギとは全然別なモノであることを知ったのであった

そして…? 如何に我々の日常が自然や地のモノから切り離されていたのか…

を体の奥底から感じさせられる事にもなった

(;一_一) 「なるほど……本当に美味しいモノは、また別にある…と言う事か…」と

爾来……忙しさもあって……食べ物に傾注する事が出来ない時期もあったのだが……

それなりに気持ちも落ち着いたと言う事もあったのだろうか…?

あれこれと「天然鰻」を食べてみようと言う気力も出て来たのだが……

どれもこれも (;一_一)……… であった

今は無き騎西屋での強烈な体験が原点ではあるが……その騎西屋が無い事を知るに……

人生において、「こうだ♪!」と思った時に食べておかないと次が無いと言う事も知らされる訳だが……

その時に食べた「質感」「肉の質」「味」「皮」「肝」……どれをとってもそれに匹敵をする様な物は無い……

思えばバブル期が崩壊していく最後の過程でもあったのだろう……その中でその様なウナギに出会えたことも奇寓なのであろう……

日本が(かりそめにも)豊かな時代に大枚を叩いて食べた天然鰻…

それを日本の残像などとは思っていないので(w

しつこく、あちこちで「天然鰻」を所望するのだが……

まぁ? 何時かその様な”大物”に出会える事もあるだろう…まぁ廻り合わせではあるだろうが…

∈(・◎・)∋ ウナ〜の神様が引きあわせてくれるだろうかしらん♪ 

などと能天気な事を考えながら……

日本古来のジビエの一つである天然鰻に想いを馳せるのである